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県内初の新薬開発 痔を切らずに治療 レキオファーマ社 厚労省が承認

琉球新報社:2004年07月13日

 

医薬品開発ベンチャーのレキオファーマ(那覇市、奥キヌ子社長)が製薬会社の三菱ウェルファーマ(大阪市)と共同開発した、切らずに重症の内痔核(いぼ痔)を治す新薬が、厚生労働省から新医薬品として正式承認されたことが12日までに分かった。
レキオファーマによると、この治療法は国内初で、世界的にも画期的な方法。
県内企業が開発した医薬品が新薬に承認されるのも初めて。同社は薬価交渉を経て年明けにも医療機関向けに製造販売する予定だ。
新薬は、医薬品に一般的に使われている硫酸アルミニウムカリウム(ミョウバン)を主成分にしている。日本人の3人に1人といわれる痔疾患の中で過半数を占めるいぼ痔治療に使われている。
患部へ新薬を注射することで、患部かかたくなり、いぼが引っ込む仕組み。止血効果もある。治療時間は15分から30分程度。ほとんど痛みはなく1日の入院で済むという。臨床試験の結果、重症のいぼ核が消え目立った副作用もなかった。
これまでは重症になると切除手術しか手段はなく、痛みを伴う上に1〜3週間の入院が必要とされた。金銭的な負担も大きかった。
2003年3月に「ジオン」の名称で厚労省に新医薬品として製造承認を申請、ことし7月9日付けで同省から承認された。
レキオファーマ社は1991年に設立。95年から三菱ウェルファーマが参画し、「ジオン」の共同開発を進めてきた。