仕事の余白

仕事の余白

奥キヌ子代表『仕事の余白』連載中! 第3回掲載日「首里城オペラの公演」

琉球新報社:2007年12月16日

 

県外からのお客様があると、まずは琉球料理と泡盛を召し上がっていただこうと首里城に近い茶房へ案内することが多い。食事の後、夜風にあたりながらそぞろ歩いて、龍潭池の向こうにルビー色にライトアップされた首里城をご覧いただくのが仕上げのコースだ。
首里城は1992年に正殿などがみごとに復元され、2000年12月には『首里城跡』等が世界遺産に登録された。かつては琉球国の王府であり、各国の客人をもてなし、政治経済や文化の交流と発信の場でもあった。
その首里城の御庭で、オペラを公演しようと有志が集まった。現在、首里城での芸能的な催しは、主に琉舞や古典芸能に限られているが、その枠を超えて総合舞台芸術である世界のオペラを首里城で公演する企画だ。沖縄、日本各地、中国、韓国の芸術家たちを競演させる。豊富な人材が育つだろう。観光立邦の「青い空、青い海」だけでなく文化力でも世界と競争できれば付加価値となる。
先人達の遺(のこ)してくれた財産に今を生きる者たちで新たな価値と創造を吹き込むのだ。名高い映画祭や音楽祭のように「首里城オペラ公演」を育てて行ければと願う。城下に建つ県立芸術大学音楽学部教授を筆頭に目下推進中だ。
ライトアップされた首里城は美しい。熱い思いで首里城復元にチャレンジした方々に感謝である。